美術展の展示キャプションでは、英語も合わせてみるとより面白いです。

日本美術の展覧会、自分の勉強不足をカバーするために、私は個々の作品説明にある英語を読んで理解しています。

先日いった、「あやしい絵」でも、そうして楽しみました。

たいてい、そんなに難しい単語をつかってはいないし、ほぼ一文で、難しい文法も必要ありません。日本語の昔の言い方のほうが理解が難しく、英語を読むことで、
「ああ、そういう意味だったのか」
と思うことも多々あります。

日本語は日常で使っているので、いい意味でも惰性で理解をしていますが、英語だとちょっと立ち止まって考えるようになります。完璧なバイリンガルな人は、どうなんだろう?
以前訪れた、2017年に東京国立博物館で開催されていた、「茶の湯」の図録を読みながら例にだして、おもしろかった展示キャプションの紹介をします。

  • 茶道関連の展示の面白かったキャプション4点
  • 知ってることを日本語→英語で再構築すると自分の理解の度合いがわかります

特別展「茶の湯」でおもしろかった展示キャプション4展


たいてい、大きな展示の展示キャプションは日本語が母国語でない方々への説明なので、日本の季語や、工芸品や、文化にかかわる部分がシンプルなテキストで、噛み砕いて表現されていることが多いように感じます。


例えば。。
青磁の花入、
「青磁下蕪花入」(せいじしもかぶらはないれ)

「Celadon glaze shimokabura “turnip-bottom” type」
となります。

下が蕪のタイプの花入。あ、ほんとうに植物の蕪のことなんだ。と思いました


茶釜は、
「烏図真形釜 銘 濡烏」(からすずしんなりかま めい ぬれがらす)

Water kettle
Shinnari “turue shape” type, Crow design, Known as Nuregarasu “wet crow”

そのまんま、濡れてるカラス

茶碗は、
「黒楽茶碗 銘 時雨」(くろらくちゃわん めい しぐれ)

Kuro(black) rake type, Known as Shigure “late-autumn shower”

時雨って「晩秋のにわか雨」なんだ!と思いました。しとしとと降る雨なのかとおもったら、通り雨みたいな、にわか雨だったんだな。と、英語を表記してもらってわかりました。

あと、茶碗の中でこれもおもしろいです
「赤楽茶碗 銘 無一物」(あからくちゃわん めい むいちぶつ)

Tea Bowl Aka(red) type, Known as Muichibutu ”with nothing”

無一物の表現って、”with nothing” sなんだ。とこの時思いました。
「なにもない。」というよりも、「空をもっている。」という表現ですかね。

知ってることを日本語→英語で再構築すると自分の理解の度合いがわかる

日本語は、「無一物」って聞くと、(私は)ぼんやり分かっているような気になってしまいます。何度も聞いたことがあるし、惰性で「なんとなーく、こんな意味なんだろうな」とイメージのみが先行して、突き詰めて考えることをしません。


それが、英語となると、「なんとなーく」の部分がなくなって、しっかり意味がわかる気持ちになり、嬉しくなります。


以前、どこかで読んだことがあることですが、
抑えきれない怒り、悔しさ、悲しさ、とか、冷静になりたいけど、なれないとき、その場合の対処法として、


「いまの気持ちを英語で表現すると、どういう文になるかな」


と、考えることが効果的というものです。その時の自分の気持ちに合う単語、文法、表現を、ああでもない、こうでもないと探して、文章を考えているうちに、自分の気持ちがの整理ができて、冷静になる。というものです。


これ、書いていて「こんなこと私知っていたんだ!」と自分で思い出したんですが、子供のことで必要以上に怒ってしまいそうなときに、冷静になるために「気持ちの英語訳」をしてみようと思いました。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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