茶杓の銘ぜひお稽古で使いたい季語:三月

三月の季語を集めました。三月はひな祭りがあり、野山の植物や動物が活動的になり始める時期ですね。茶杓の銘としての季語の紹介は、前回分もあります。

前回の三月の季語
  • 山笑う(やまわらう)
  • 御松明(おたいまつ)
  • 帰雁(きがん)雁帰る(かりかえる)雁の別れ(かりのわかれ)
  • 貝寄風(かいよせ)
  • 野遊(のあそび)
  • 五人囃子(ごにんばやし)雪洞(ぼんぼり)流し雛(ながしびな)
  • 春霞(はるがすみ)白玉姫(しらたまひめ)
  • 花便り(はなたより)

今回は、三月三日のひな祭りを雛人形を表す言葉以外の言葉。春の野山の風景。鳥たちの様子を表現する言葉の3種類で8個集めてみました。いつも使っていない新しい季語で、この季節のお稽古を楽しくしてみましょう。

今回の三月の季語
  • 上巳(じょうし)
  • 曲水(きょくすい、ごくすい)
  • 蘖(ひこばえ)
  • 蓬生(よもぎう)/摘草(つみくさ)
  • 踏青(とうせい)
  • 野火(のび)
  • 巣立(すだち)
  • 百千鳥(ももちどり)

雛人形以外で三月三日を表現した言葉

上巳(じょうし)

三月三日ひな祭りのこと。次にリストした曲水も三月三日の行事なので、ひな祭りの時期に、雛人形に関連していない季語を使いたい時にはこの2つが使えますね。

曲水(きょくすい、ごくすい)

陰暦三月上巳の日(現在の4月上旬)だったが、のち三月三日に行われた宮中の行事。庭の小さな川のほとりに川を正面にして座り、向こう岸とこちら岸で数人並びます。上流から流されるお酒のはいった盃が自分の前を通り過ぎる前に和歌をつくり、盃の酒をいただく、という行事です。太宰府天満宮などで3月の第一日曜日に行われています。

春の野山の風景

蘖(ひこばえ)

樹木の切り株から新芽が生えている様子を表す言葉です。冬の間に蓄えていた木の生命力が芽吹く様子が目に浮かびます。

蓬生(よもぎう)/摘草(つみくさ)

ヨモギが広い範囲で一面に茂っている様子。子供の頃、春になると空き地でヨモギがびっしりと生えていたのを思い出します。隣の家の人が、ヨモギの葉を乾かしてお灸を作るのを手伝ったことを思い出します。また、ヨモギやつくしなどの春草を摘むことを「摘草(つみくさ)」といいます。これも季語として使えます。

踏青(とうせい)

暖かい春になって草原の青々とした草の上で遊ぶこと。元々は中国で旧暦三月三 日に行われていた行事が伝わったものだそうです。温かい春の光を浴びて野原で遊ぶ光景が浮かびます。

野火(のび)

春に行う野焼きのこと、春になると見られる風景。枯れた植物を燃やしその灰を肥料としてつかいます。

鳥たちの様子

巣立(すだち)

巣立ちとは、大きくなった鳥の雛が巣を出ることを言います。鳥の巣立ちは「鳥巣立つ」という季語で初夏の頃です。巣立ちを春に使う場合は、少年少女たちが自立していくという意味で巣立ちだと思います。

百千鳥(ももちどり)

様々な種類の鳥が集い、さえずっている様子です。







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