茶杓の銘ぜひお稽古で使いたい季語:二月

今月のお稽古で使いたい季語にも書いた、「初午(はつうま)」について調べていたら、旧暦の暦のことがちょっとわかりました。

●旧暦は太陰暦(月の満ち欠けサイクルを一ヶ月とした暦)
●現代のカレンダーは太陽暦(地球が太陽を一周するのを一年とした暦)

二月近くになるとやってくる旧正月(2023年は1月22日でした)旧暦のお正月も、二度お正月がくるようで楽しみですね。

今月の季語は、前回こちらの季語を紹介しました。

前回の二月の季語

寒松(かんしょう)
春告鳥(はるつげどり)
暁(あかつき)
東風(こち)
飛梅(とびうめ)
遠山(とおやま)
柳の糸(やなぎのいと)

茶道で使われる季語は昔からある自然の情景や行事なので、新しく追加される言葉はありません。(俳句では追加される言葉はあります)季語の数はたくさんあります。今年も前回とは違う、私が茶道のお稽古で使ってみたい季語7つを紹介していきます。

今回の二月の季語

雪間(ゆきま)/残雪(ざんせつ)
初午(はつうま)
下萌(したもえ)
梅日和(うめびより)
好文木(こうぶんぼく)
梅見月(うめみづき)

雪間(ゆきま)/残雪(ざんせつ)

春になると、地面の雪が溶け、下の土が見えます。周りの雪解け水だあると土も黒に近い濃い茶色になり、雪の白と土の黒のコントラストを表現しています。地面の所々にある黒い部分。春になりたては、雪の白が多いく、土は少し顔を出す程度ですが、春が進み暖かい日が多くなるにつれて、雪が溶けて土の茶色が多くなります。この頃の残った雪のことを「残雪(ざんせつ)」といい、これも二月の季語として使えます。
茶杓などで点々のある竹を使ったものに、雪の景色を重ねて銘としてもいいですね。

初午(はつうま)

二月の最初の午の日が初午といいます。「午の日」と「最初の」がいまだによくわかっていませんでした。午の日の午は、十二支の午のことです。昔はカレンダーがなかったので、十二支を現代の数字のようにして、日付を表していました。子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥の順で12日目まで数えていき、13日日目には子に戻ります。2023年は2月5日です。
初午は稲荷神社のお祭りです。稲荷神社は農業の神様なので、今年の五穀豊穣を願うお祭りです。狐がモチーフになったり、油揚げをつかったいなり寿司を食べたりします。

下萌(したもえ)

この時期のお菓子の銘でもよく使われていますね。
地面をかき分けて出る、新しい草の芽のことです。雪の下に去年の枯れ草があり、その下から新しい芽が出てきます。生命力に溢れた春の始まりの情景が浮かびますね。
この草の芽は、福寿草、ふきのとう、カタクリ、ニリンソウなどが連想されます。

梅日和(うめびより)

梅が咲いている頃、梅を見に行くのにちょうどいい日のこと。寒さはあるが、春の日差しと、青空、風のない天気が梅日和と言えそうですね。青空に白や紅色の梅の花がよく映える情景が思い浮かびます。

好文木(こうぶんぼく)

梅の別の表現です。265年中国の西晋の初代皇帝武帝が、学問に励むと梅の花が開き、学問を怠ると花が開かなかったという話から、言われるようになった梅の別名。別の季語「飛梅」で関係のあった菅原道真の梅かとおもっていたら、中国の皇帝からのお話でした。調べてみるといろいろ知らないことがでてきます。

梅見月(うめみづき)

お稽古で一月、二月に使っている梅月棗(ばいげつなつめ)という淡々斎お好みの棗があります。が「梅月」は四月の季語、旧暦の五月青梅の時期としての季語と言われます。梅月というと二月の季語のようですが、梅の実の時期を表す季語として俳句などではつかわれています。二月で梅と月で季語の場合は梅見月(うめみづき)など。梅の花を見て楽しむのにいい時期という意味の言葉があります。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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