「海松(みる)」とは、海藻のことです。ミル貝のことではありません(私も最初、口頭で聞いた時にはミル貝かと思いました)。初夏の季語にもなっています。この海藻をデザイン化した海松文様とミル色について書こうと思います。(上の海藻画像はミルではありません。)
なぜ、「海松」かというと先日潮干狩りに千葉県の江戸川河口に行きました。
潮干狩りに行くと、
砂紋
波
二枚貝
巻貝
海藻
といった、創作活動のモチーフになるものをたくさんみかけました。
そこで思い出したのが、海藻をモチーフにした、「海松」でした。
日本の紋に
「海松(みる)文様」
伝統色に
「海松色(みるいろ)」
が存在しています。これを紹介します。
海松文様について
海松文様とは、こういうものです。
町内にある海苔屋さんのシンボルマークも海松紋でした。海松は海苔ではありませんが、海苔も海藻なのでつかっているんですかかね。
蒔絵や着物のデザインの一部に貝、波などとともに使われていたり、しています。茶道の道具では、水差し、お茶碗に使われているのを見たことがあります。その時の季節は夏だったと思います。初夏から夏にかけて見かけることが多い道具の文様です。
以前サントリー美術館の展示でみた、「貝尽蒔絵硯箱・料紙箱」を思い出しました。
https://www.suntory.co.jp/sma/collection/gallery/detail?id=94
潮干狩りで見た、二枚貝、巻貝や海藻類がモチーフにつかわれていました。貝の表現は螺鈿。海藻は蒔絵で表現。それら全体の画面構成が、手前と奥の空間が書かれていて、一般的な蒔絵の平面的な構成とはちょっと違う作品です。また、余白が流れるように演出されていて画面により立体感がでていてとても素敵でした。
作者の小川破笠も、潮干狩りの場を見たことあったのかなと思いました。
日本の色「海松色」について
日本の色で「海松色」もあり、海松の色を表現したものです。鶯色のような黄緑に少し茶色が入った感じの色です。鶯色より濃いめの色です。オリーブグリーンっていう感じでしょうか。
水差しやお茶碗に使われている海松模様に海松色が使われていることはあまり見ないです。
海松模様はブルー系で表現されていることが多いですね。そのものの色を当ててしまうと面白みがないからかな。
コメントを残す