茶道と仕事の共通点

利休百首をみていると、デザインの仕事で自分が体験し感じたことと似たことが書いてあることがあります。そう思ったきっかけの歌を紹介します。

なまるとは手つづき早く又おそく ところどころのそろはぬをいう

利休百首

この歌の意味は、

ところどころ、早かったり遅かったり調和のとれていないお点前は「なまる(鈍る)」と呼ぶ

という意味です。本来の意味はそうなんですが、この歌を見たときに、「産後社会復帰時の自分が調和がとれていない状況とは、鈍っていたのか!」と思いました。鈍るとは、技量の冴えがなくなること。たしかに、技量の冴えは、どこかへ行ってしまっていました。

鈍るを取り除くために、調和がとれた仕事ができるよう、手(技術)と頭(考え、言葉)の感覚を取り戻すために、試していることを書きます。

イラストを描いて、手を動かしてみる

ブランクは、3年くらいだったですが、あまりに自分のやってることが、表現したいことと、手や頭が動くのが全然噛み合わずとても困っていました。

産前と産後で自分が変わってしまったようになり、すこし悲しい気持ちになりました。

そういうものかと諦めようと思ったとき、思いとどまって、「もっと数をこなせば頭も手も慣れるのでは」と思って、仕事を待つのではなく、イラストなどを描いて手を動かし始めました。

アイコンや、ロゴ、好きな和柄を背景にしてみたり、今後自分のデザインで使えそうなものををコツコツ作りためています。イラレやフォトショの新しい機能とかを発見したりして、いろいろ作りました。色合わせとか、線の感じとか、やっているうちに、自分の好きな色のパターンや線とかが出来上がってくるのがわかりました。ちょっと鈍っているのが薄くなった気分でした。

イラスト作りは、いまでも続けています。

人の動画とか本を見て、頭を動かしてみる

手を動かすのは、慣れてきました。練習が足りなかっただけだったんです。あとは、頭。


一番困ったのはコンセプトとかを説明する際、文章や言い回し、いわゆるプレゼンするときに使うような単語がさっと出てこない。。あと、口が回らない。。


会社で仕事をしているときには、プレゼンや打ち合わせで、周囲で使っている言葉を知らないうちにインプットされていて、環境により、説得力のある言葉が出てきてたんだ。と実感しました。

現在は、プレゼンのような説明の参考にしているのは、本に書いてある文章や、動画の言い回しです。それらを読んだり聞いたりして、頭が慣れるように、インプットできる環境を作るようにしています。

わかりやすくプレゼンのように説明するための文章や言い回しは、満足できるほど、なかなか上達しません。インプットばっかりなので、アウトプットする機会を作らなければと思います。なので新規のお客さんとかにプレゼンする機会を作っていこうと思います。


お茶のお点前も一度できるようになり、長い間稽古をおやすみしていると、間違ってはいないけど、動きがぎこちなくなります。それも「なまる」と呼ばれるのかもしれません。日々どれだけ稽古をしているか、お茶のことを考えているか、そういう環境にいるかが、お点前に出てしまうということでしょうか。

それは、仕事でも同じです。手と頭がうまく噛み合って調和のとれた働きをするには、練習、日々の考え、環境を揃えるのが、大切だと思いました。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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