5月の中旬、青山の根津美術館に行ってきました。一度も拝見したことがない「尾形光琳 燕子花図屏風」目当てです。
美術館の入り口のところに、「けさのカキツバタ」
尾形光琳の燕子花図屏風以外の作品も良かったです。草花が描かれている屏風には、草花以外のもの:土、石、水辺など描かれておらず、草花だけにフォーカスしているのが印象的でした。燕子花図も、燕子花のみ。黄金の池からすっと伸びるシャープな葉や花がよかったです。
そのあと、庭園のカキツバタを見にいきました。庭は緑が濃く葉も大きく広がり、木陰が気持ちいい。少し歩き、遠くの池に紫色の花が見えました。池全体ににカキツバタが…。
「きれい」と思わず声にだしてしまう美しさ。緑の中に紫色が映え、風も無く、時が止まったかの様な凛とした佇まいでした。カキツバタが咲く季節、尾形光琳もこの季節の自然の色や太陽光に感動して、燕子花図屏風を描いたのかな。
花は一年の中で短い期間しか見られません。自然の中にある花が咲くのを楽しみに待つ気持ちや、この時期だけの見え方に感動する事。私にとって、国宝の屏風よりも、その日その時間でみた池に咲いているカキツバタが印象に残りました。
カキツバタが咲く時期に燕子花図屏風を公開するのは、いいですね。
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