利休百首歌の中にある、ひとの喜ぶこと、もてなしについて書いてある歌を探してみました。その中で、忘れてはならない重要なことが書いてある歌を紹介します。
これを考えてると、自分や周りの事よりも、喜んでもらいたい人にフォーカスすることを忘れないでしょう。
利休百首歌は茶道にまつわる歌を百首あつめたものです。百首読んでみて、下記のテーマで大きく3つに分けて、各テーマの数を数えました。
- 心構え:お茶を点てる時の心構え
- 具体的な指示:位置、動作、順序の指示
- 人を喜ばすヒント:お客さんを招く際の考え方
その中、一番多かったのは「具体的な指示」、その次に「人を喜ばすヒント」、最後が「心構え」でした。具体的な指示は実際どうだったかなとあやふやになってしまう事を、いいリズムで覚えられるのでとても有益です。その百首の中から「人を喜ばすヒント」中、この歌を選びました。
花見より帰りの人に茶の湯せば 花鳥の絵をも花も置くまじ
「花見より帰りの人に茶の湯せば 花鳥の絵をも花も置くまじ」を読んでみます
意味はこんなかんじかと、解釈しました。
花見帰りの人をお茶に誘ったら、桜の花の風景やそこで見られるであろう鳥の描いてある絵、もしくは、花も使わないほうがいい。
例えば、四月に桜で有名な千鳥ヶ淵や新宿御苑で花見を終えた人に、桜が描いてある掛け軸や桜を床の間に置かない。桜が風に揺れる美しさや、その場の空気、鳥の鳴き声の感動と比べると絵の表現は勝てないです。なので、花見帰りの人には、全く花に触れない趣向でその人が喜びそうなことを考えてみましょう。という事だと思います。
茶道は季節感を大切にするので、四月の桜の時期だと、どうしても桜を趣向(テーマ)として選んでしまいがちです。それを、「時間を割いて来てくれる人の立場になって、何で喜んでもらえるか」を考えてみましょう。来てくれる人が好きなものや、好きになってくれそうなもので道具組みにする事や、何かの記念をお祝いする事でも喜んでくれるかもしれませんね。
とはいいつつ、どうしても桜の趣向を取り入れたい場合は、ちょっと時期をずらしてもいいかもしれませんね。その時期の前を「はしり」、時期の終わりを「名残」と言って、そのどちらかの時期に招待すれば、桜の趣向でも喜んで貰えそうですね。
花見に行く、一週間前だったら、行くのが楽しみになるでしょうし
花見のあと一週間経って、花も終わりかけていたら、名残惜しんでまた来年も見たいな。といい思い出が残せるかもしれません。
桜なので、咲いている時期が短いので、ちょっとずらせばできそうです。
季節以外の趣向も取り入れていきたい
花や自然現象以外で、他の趣向をたくさん見たいと最近考えます。「4月=桜」はわかりやすい例です。でも、もうちょっと違うのも知りたい。それが、古今和歌集なのかな。。やはり、古典に親しむのが必要ですね。季節以外の趣向の場合、そういう知識が試されそうなので、まずお客さんとしてちゃんと趣向を受け止められるだけの勉強が必要ですね。
余談ですが。。
桜の時期になると、多くのお店も桜をテーマにしたディスプレイやスイーツになります。お店側のやりたいという気持ちが先走ってて、お客さんは毎年喜んでるのかな?思っていました。華やかで、季節の節目で大切ですが、マーケティングに急かされているように感じます。
クリスマスもアメリカで「サンタクロースがプレゼントをあげる」という行事にしたマーケティングですし。最近は「ひな祭りケーキ」「こいのぼりケーキ」も並んでいますよね。「1/2成人式」とか、昔はなかった行事でのイベントも増えて、そのたびにお金を使う機会を作られている感じがします。買う人(お客さん)のためではなく、売り上げです。
躍らされないように、よーく見てからお財布を開きます!
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