「格」の高さとは、なにか

茶道をしているときによく聞く「格(かく)」。着物、道具、お花にも格があり、お菓子にも格があります。どんなお菓子が格が高いのかというと、

主菓子:薯蕷饅頭(じょうようまんじゅう)中に餡が入っている丸いおまんじゅう
干菓子:煎餅や落雁

その理由は

昔から存在しているから

です。

高価な価格のもの、見栄えがいいものの方が良いものののような気がして、格も高いような気がします。しかしそうでもないんです。

茶道の場合のお菓子の「格」について書きます。

コンテンツ
  • 「格」の高さとはなんでしょうか?
  • 茶道で使うお菓子の「格」の違い

「格」の高さとはなんでしょうか?

「格」は「レベル」に近い使い方をしていると感じます。物事には横で比べる同列の事柄と縦で比べる段階が存在します。比べる場合には横と縦の基準があります。「格」とは、この縦の部分の1つの表し方だと考えます。
日常的によく聞くのは、「レベルが違う」です。「レベち」という略語ができるくらいよく言われます。これは、2つの出来事を縦の基準で比べています。

ちなみにネットの辞書では格をどのように定義しているでしょうか。格だけでは見当たらず、「格式の高い」という言葉だとありました。

格式が高いの意味

物事に伝統や品位が感じられる様

Weblioより

とあります。茶道で「格」という言葉が使われる場合は「格式」のことを指しています。お茶でレベルの比較、縦の比較をする場合には、「伝統」の部分を比較している場合が多いです。
伝統は長く続いていて、歴史のある物事であるからです。それを縦軸の格として重んじるのが茶道で使われる格です。

基本的に昔からあるもののほうが格が高く、品位が感じられる事柄でも「格」という言葉の中では歴史が浅ければ格は上がりません。値段が高いことが条件でもありません。とにかく歴史と伝統だと思います。物を高価にすることは、短時間でも作れますが、歴史や伝統は短期間では作れません。それが茶道で言われる格といわれるものでしょう。

茶道で使うお菓子の「格」の違い

お菓子にも格があります。格の高いお菓子は 濃茶で使われる主菓子では上用饅頭 薄茶ではつかわれるお干菓子では煎餅や落雁です。

なぜ上用饅頭と落雁が格が高いのでしょうか?

これらは、昔からあるものだから

一般的に上生菓子と呼ばれるのは、濃茶をいただく時のお菓子です。濃茶の時のお菓子は「主菓子」と呼ばれます。餡をつかって四季折々のきれいな色で、季節ごとのデザインがあり目にも楽しいです。この主菓子の中でも格が高いのは、上用饅頭(じょうようまんじゅう)です。丸い形で白い生地のシンプルなおまんじゅうです。

昔は砂糖を使ったお菓子は高価で、地位の高い人しか食べられないものでした。上のものに用いる饅頭ということで、上用饅頭と漢字で書かれます。また、もともと材料の名前から、薯蕷(じょうよ)饅頭とも書きます。薯蕷とは、とろろいも、山芋のことです。餡の周りの生地に山芋などをすりおろして練りこみ、それを蒸してつくられます。山芋などを練り込むことで柔らかくふっくらします。

デパ地下の和菓子屋さんで販売されている季節を表現した、きれいな色の主菓子は手が込んでいるのでその分値段も高いです。変わって、上用饅頭は飾りの少ないシンプルなまんじゅうなので、値段もそんなにしません。でも「格」は上用饅頭のほうが上です。それは、茶道が始まった頃から存在する、歴史のあるお菓子だからです。

お干菓子の格も押してあるものが高いと言われるのは、煎餅や落雁も昔からある伝統的なものだからでしょう。寒天や飴細工でつくられたお菓子も干菓子として使われますが、煎餅や落雁に比べると最近出てきた種類です。なので、格としては低くなっています。

お干菓子は、押さえている手順が加えられているものが格が高い。と覚えると簡単です。格の高さによって、菓子盆の並べる位置が決まるので、干菓子を盛り付けるときに覚えておくと困りません。

まとめ

一番最初に出来たものが最も長い歴史があるために格が高くなる。

最初にできたことでもその後使われなければ長い歴史を超えられないので、今まで残っているということはそれだけで格の高さを証明できるということでしょう。

歴史や伝統が必要だとすると、最近出てきたものはどんなに良いものでも、格としては超えられないんですね。そう考えると高い格をいまから目指すことは難しいですね。世の中では、昔のものよりも最新のもののほうが性能が良いものであることのほうが多いです。改善がなされていますからね。でも「格」という物差しでは適用されることはないんですね。







コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA