白地に青の陶器作品の名前を、整理してみました

先日、東京日本橋で開催中のこの展覧会を見に行きました。

「絵のある陶磁器」仁清・乾山・永楽と東洋陶磁
@三井記念美術館 2022年4月29日〜6月26日まで

たくさんの陶磁器作品を閲覧している中で、作品名で気になることがありました。「染付」、「祥瑞」、「呉須」。すべて白地に青色の絵が書いてある磁器作品についてある名前です。

白地に青の絵が書いてあると「染付」かな?とあいまいに覚えていたので、
この展覧会をきっかけに、整理したいと思います。

※文中で紹介している作品例は、文化遺産オンライン(https://bunka.nii.ac.jp/)へとリンクしています。リンク先の作品は、今回私が見に行った「絵のある陶磁器」で展示されていません。作品例としてご覧ください。

コンテンツ

呉須(ごす):顔料の名前
染付(そめつけ):絵を描く技術の名前
祥瑞(しょんずい):デザインの名前

呉須(ごす):顔料の名前

呉須とは、酸化コバルトを主成分にした顔料の名前です。昔は中国産の天然のものを使用しています。

染付(そめつけ):絵を描く技術の名前

染付とは、高温で焼かれるとコバルトブルーになる顔料(呉須)で絵を描き、透明釉をかけた磁器です。

染付作品例:染付獅子牡丹文吸出碗

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/583173

祥瑞(しょんずい):デザインの名前

染付で描かれるデザインは様々です。祥瑞とは、その中の一つのデザインの名前です。祥瑞以外にもよく見かけるデザインは、芙蓉手(ふようて)、呉須赤絵(ごすあかえ)などです。それぞれの作例を文化遺産オンラインのリンクを貼ります。

祥瑞:
紗綾形,青海波、亀甲,七宝つなぎ,などの数種の幾何学文様が区分けして描かれている

祥瑞作品例:祥瑞八角瓢形徳利(しょんずいはっかくひょうけいとくり)

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/504377

祥瑞の陶磁器の幾何学模様は、吉祥文である。と、説明されているのがありました。さまざまな祥瑞とデザインの名がつく器を見ていると、必ず吉祥文を使う必要はなさそうです。

祥瑞(しょんずい):陶器の柄の名称
祥瑞(しょうずい):良きことが起こる前兆、めでたいしるし

芙蓉手:
皿などで、中央から花びらのように区分けされた部分それぞれに描かれている柄があるもの。芙蓉の花のような花びらの広がり方から、そのように呼ばれる

芙蓉手作品例:染付芙蓉手V.O.C.マーク入り大皿

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/442486

呉須赤絵:
赤色が主につかわれていて、そのほかに黄、緑、青色もつかわれているもの

呉須赤絵作品例:呉須赤絵写皿

https://bunka.nii.ac.jp/heritages/detail/389204


白地に青の柄で同じように見える陶器作品も、顔料、技術、デザインで分類すると理解しやすいですよね。実物を見ていなくても陶器作品の名前だけで、色、柄の想像がつきますね。







2件のコメント

コドマリさま
コメントありがとうございました。励みになります。これからも頑張って記事書きます。

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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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