畳の目数が茶道のグリッドシステム

グリッドシステムとは、印刷物やウェブデザインなどで情報をレイアウトするための、ガイドの役割をする体系です。自分の求めるデザインにあったグリッドを縦横の線で作り、それをガイドとして、文字写真を載せていきます。このシステムを使うことにより、デザインが見やすく、一貫性のあるものに仕上がります。


マンションに茶室を作ったとき、建築士さんが気を使っていたことの一つに、「畳のサイズと目数」でした。茶室では畳の目はグリッドシステムなので、とても重要です。この畳の目数を変えないようにするために、いろいろ工夫してくださいました。

16目に膝がくるように座ります

お茶では、畳の目を基準にして、道具の配置、座る場所が決まっています。

  • 客の座る位置:へりから16目下に膝がくるように
  • お客が扇子をおく位置:後ろのヘリから1目

など、

目の数で距離を計って、居合わせる人々の場所が揃い、調和のとれた空間になります。
畳の目の長さは約1.50cm、一寸=3.03cmとすると、畳の目は半寸です。

  • 客の座る位置=16目=1.50 x 16=24cm
  • 客が扇子を置く位置=1目=1.50 x 1=1.50cm

「ヘリから24cm下って座ります。」よりも「ヘリから16目下がって座ります。」といわれたほうが、位置が分かりやすいとおもいます。
畳の目のグリッドがあることにより、他の人と並んで座れたり、道具の並びが美しく揃います。ほんと、デザインみたい。

畳の大きさは京都と東京で違うから調整が必要

家では、マンションのダイニングルームとして設定されていた約6畳の部屋に四畳半の茶室をつくりました。

畳の大きさが関東と関西で違うのは、有名ですね。もちろん畳の目数も違います

  • 京畳(64目)
  • 江戸(関東)畳(58目)

部屋が小さいからといって、畳の目の数は大きく変えられません。なぜならグリッドシステムが変わってしまうから。お点前やお客さんの位置が変わってしまうとお稽古になりません。なので、京畳で使われている64目を部屋に入る畳のサイズで1目の間隔を狭めて作ってもらいます。


特に点前畳(亭主がお点前をする畳)は、棚などの道具の収まりが悪いので、なるべく小さくしないようにしました。同じく、客畳(お客さんの座る畳)も、160cm位の身長の人が、16目で座って後ろに扇子がおける程度の広さも確保しました。


そうなると、2枚畳の大きさを確保すると、そのしわ寄せにより、四畳半の中央、半畳の畳(炉畳)、それ以外の2枚の畳(貴人畳、踏込畳)を小さくしました。
ぱっと見、中央の畳が小さいことはわかりません。お点前をするので、畳の広さと目数が必要です。なので、調整が必要なんですね。畳屋さんにサイズを伝えてオーダーしますが、それを叶えてくれるのも技術だと思います。なかなか量産品ではできない気の使い方ですね。

中央の炉畳は、炉の季節では炉壇がありますが、風炉の季節では炉を閉じます。その際、炉の部分に、炉縁サイズの小さい畳で蓋をすることがあります。でも、家では半畳の畳まるごと入れ替える方法にしました。それのほうが風炉の季節は畳がスッキリしていい感じになりました。ちなみに炉縁サイズの小さい畳も半畳の畳も値段はほとんど変わらずでした。手間が変わらないっていうことですね。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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