降らずとも雨の用意

利休七則の一つに、「降らずとも雨の用意」というのがあります。

「いつも雨に備えなさいよ」にとどまらず、いつでも準備を怠らず、なにかあっても動じない心構えを持っていなさい。という意味です。

お茶ではお点前やお客さんの作法もたくさんあり、それに集中しがちですが、それと同じくらい大切なのが、準備です。お点前をする亭主だったら、道具の準備がすぐ思い浮かびます。しかし客の準備もいろいろあります。十分に準備することで、心の余裕が生まれ、よりお茶を楽しめます。

お客さんとして招かれたら、以下の準備をしています。忘れたりすることもあります。忘れて恥ずかしい経験をしたことがあるので、そういう事があると二度と忘れません!

>替え足袋(洋服の場合は白い靴下):
外を歩いて来た足袋は汚れているので、お茶室に入るには新しい足袋(靴下)に履き替えます。

>お茶セット(帛紗、古帛紗、扇子、懐紙、菓子切り、小茶巾):
客であっても一式持っていきます。帛紗も拝見のときに使う場合もあります。

>風呂敷:バッグやコート等がばらばらにならない様にまとめます


ティッシュ、ビニール袋:懐石料理を頂いた後、食器をティッシュで清めます。そのティッシュと食べ残し等はビニールにいれてお持ち帰り。食器はきれいにし
て食事を終えます。そして、ティッシュだと食器が傷つく場合があるためもっと柔らかい和紙を持っている方もいらっしゃいます。

>新券、祝儀袋、無地の封筒、筆ペン:突然お支払いをしなきゃ行けない場合もあるので、そのための準備。日常でもこまめに新券に両替します。休日は銀行が休みですしね。

あと、今の季節の持ち物ですが、

羽織もの:半袖やノースリーブだったら肌を隠す(ショール等の肩にかけるだけだと挨拶の時に落ちてしまうので、カーディガンやジャケットのような腕が通せるもの)

浴衣の足袋:はだしでは上がらず、足袋を履いてからお宅へ上がります。

ちなみに、参考までに、私が準備を怠って恥をかいた話を2つ。

1)持参した替えの足袋が主人のだった
お点前をする大事な初釜のときに、「これが一番新品に近い!」と持っていったのが、主人の足袋。。お点前もぶかぶかの足袋を履いてするしか無かった。四畳半
の茶室だったので、お客さんとも近いし、恥ずかしかったなぁ。あと、一組だと思って持っていったら、右が2枚だったというのもあります。

教訓:替えの足袋はサイズ&左右あるか確認する。

2)菓子切りが数寄屋袋に入ってなかった。
いつもお稽古で使っている数寄屋袋を、そのままお茶会に持っていった時の話。いつも入れている懐紙の間に菓子切りが無かった。。手で頂く訳にも行かないし、お腹いっぱいのフリしてお茶のみ頂いてきました。お菓子は懐紙に包んでお家にお持ち帰りしました。

教訓:いつもつかっているものでも、中身をチェックする。

荷物や手間は多くなりますがきちんと用意をすると、それ以上に安心して自信をもって振る舞えますよ!







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