留学で知った「人のやさしさ」で、印象にのこっている3つのできごと。

20年前ロンドン留学時、「留学に来てよかったな〜」としみじみ思った、人とのかかわりが何度かありました。3つのできごとで、5人登場します。だいぶ昔の話ですが、書き留めておきたくなったのでお付き合いください。(写真は、当時購入した文字関連の本。「高いけど思い切って買おう」っていう思い出があります)

留学準備期間:大学の先生 2人

20年前ロンドンに勉強目的で、2年間暮らしていました。留学の目的はデザインの勉強。
もともと大学を卒業したらすぐに行きたかったけど、資金不足のため、卒業後2年後に渡英しました。資金は、卒業後の勤め先でを貯めました。

まず、東京のブリティッシュカウンシルで情報を集めました。その時に、行きたい学校の職員が来日して面接会があるのを知り、日本で作品ポートフォリオを持参しての面接。その後、卒業した大学の先生からの推薦状2枚と願書を提出しました。大学の先生の推薦状は、先生に日本語で書いてもらう。それを自力で翻訳。それを持参して当時通っていた英会話教室のマンツーマンクラスを受講し、ネイティブチェックを受けて、レイアウトをプロっぽくして、見劣りしないようにすてきな紙に印刷。それを先生のところに持って行って、サインをもらう。っていう段取りで準備しました。

サインをもらった後に誤字を発見してしまって、カッターで薄ーくカリカリと紙を削って、似た色のインクのペンで書き直しました。この時本当に焦ったので、誤字脱字は以降気を付けようと決心しました。

そんなにいい生徒ではなかったし、目立って成績が良かったわけでもなかったけど、(年賀状は書いていましたが。。)二人の先生に推薦状をお願いしたら、快諾してくださったことをいまでもありがたく思っています。それがなかったら、入学できなかったんじゃないかなと。

入学が決まって先生に報告にいったら、

「何かを成し遂げよう。成果をだそう。とあまり思いつめないで、ちょっと遊びに行くくらいで気楽にいってきなさいよ。」と言葉をもらって、緊張が軽くなったのを覚えています。「お金と時間と家族やいろんな人のバックアップを使っているから、頑張らないと!これまでの努力を実らそう!」くらい思いつめていましたが、ちょっと力が抜けました。

先生は、留学で思いつめてプレッシャーでうつ病になってしまう生徒もいるというのを知っていたのかな。だからそういう言葉をかけてくれたのかも。(実際ヨーローッパ留学は言葉や生活のなれないのに加え、冬の夜が長いのでうつ病になってしまう生徒も多いそうです)

先生が私に言ってくれたように、私もいつか、誰かにそんなさりげないアドバイスができるといいな。ま、先生でもないし、できる機会はそうそうないと思いますけどね。

現地にて:ロンドンナイトバスの運転手と隣に住んでいた人

ナイトバスの運転手さんが優しい人がいたことが印象に残っています。

ロンドンではバスが夜中、本数が少ないですがナイトバスとして運行されていました。金曜日や週末にクラブにいくことがよくありました。クラブのある中心地まで出ていると帰りは地下鉄が無いので、車にのります。一人だと不安なのでロンドンタクシー、ルームメイトと一緒だったら、安いナイトバスで帰っていました。

ある時、クラブ終わりでナイトバスで帰ろうとしていたとき、バスに乗る列でルームメイトとお互いにいくら小銭を持っているかとなり「私これだけ」と出した金額が、二人分のナイトバス料金に足りないことがわかりました。いやいや、もうバスきちゃうし、ATMで下ろしてたら次のバスまでだいぶ待たないといけないよ。

所持金では、バスに乗って帰りれない。。どうしようかといって、と言っている間にバスが到着。
「とりあえず、小銭じゃらっと渡してみて、足りないってなったら、その時考えようか。」と、ぶっつけ本番。「2人分」といってお金をずらっとバスの運転手さんに渡して、「あれちょっと足りないよ」とやはり気がつかれ、これ以上お金ないのは分かっているんですが、「あれ、あれぇ。ここにあったかも」とか、ポケットを探すふりとかやっていたら「いいよ。そのまま、乗りなよ」と乗せてくれました。すごいありがとう!運転手さん、もし乗れなかったら夜中にずーっと外で待っているの辛かったから、嬉しかったです。そんなに英語もしゃべれなかったのに、そういうふうにしてもらって、ああ、外国に住んでみてよかった。

あともう一つ、ハウスシェアしていた一軒家での話です。

学校は朝から夕方まであったので、昼間は留守にしています。ハウスシェアのお家には四人で住んでて、一週間に1度か2度ぐらいは、各家族の国から荷物が届いていました。ある時、家に帰った時に扉に不在票が入っていて、そのメモ欄の所にハウスシェアの番号より一つ多い数字が書いてありました。
「これってどういうことなのかな?」と思って、
ルームメイトに「これ隣の人の家の部屋の番号だよね?」と聞いたら、
「そうだね隣の人に言ったってことかな?」と話していたら、

「ジー」とベルが鳴りました。出てみたら隣に住んでいる中学生くらいの男の子が箱もって立っていて、「この荷物預かってるよ」と言って、渡してくれました。
なんか、これってちょっと前、日本でもそうだったよね。隣の人の荷物を、いなかったら近所の人に預ける。って。なんか、同じことをロンドンでも普通にやっていて、明らかに留学生の家の荷物も預かってくれるんだと、これも少し嬉しい気持ちになりました。

香港の空港でレジで後ろに並んでいたおじさま

留学していた2年間はたくさん飛行機に乗りました。里帰りのための、ロンドンと東京の往復も何度もしたし、その時の飛行機は直行便ではなく、経由便をつかっていました。経由便のほうが、移動時間が長いため、安いので。

ヨーロッパ内で乗り換える場合と、アジア内で乗り換える場合、いろいろありました。空港の外には出られませんが、その国の空港を見てみるのも面白かったです。

一度、香港乗り換えの便で、次の飛行機を待っているときの出来事です。時間があったので、空港をうろうろしていたら、のどが渇いて、売店で水を買おうとレジに並びました。持っていた通貨の小銭で払おうとしたら、微妙に足りなくて、「じゃ、カードで」といったら、「○○円以上じゃないとカード不可です。」っていわれて、のど渇いているし、水はぜったいほしいっておもって、「えー、どうしよう。水はのみたいし、お金たりないし。。レジの列はどんどん長くなっているし。。」と、あたふた小銭を探していました。

その状況を見ていた、列に並んでいた私の次の人が、「いいよ、私のと一緒にカードで払ってあげる」といって、私の水を買ってくれました。

とっさのことだったし、英語も得意ではなかったので、「Thank you」くらいしか言えなくて、申し訳なかったなと。本当は「すっごい助かりました。ありがとうございます!!」くらいの心を込めた英語がすらすらでてくればよかったな、と後悔しました。それから、「とっさのことでも思ったことが言えるような英語力をつけてやる!」と決心をしました。

私もいつか、香港の空港でしてもらったように、外国で困っている人がいたら、ちょっとした親切をしたいなとおもいました。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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