着物を見ただけで、産地がわかったら面白そうだなと思い、最近着物について調べました。調べるほどに織の着物と染めの着物の違いってちゃんと知っていませんでした(汗)ざっくり
織の着物=普段着
染めの着物=普段着〜フォーマルまで
と思っていました。いろいろ調べてみると自分でも知らなかった事があったので、忘備録として書きます。
ちなみに、家にあった染めの着物と織の着物の画像です。どちらも、お茶のクラスで年上の方からいただきました。
違い1:作り方 織は「先染め」染めは「後染め」
着物の生地になるとき、どのタイミングで染めるかでそのようにいわれます。
「先染め」織の着物は糸の段階で縦糸横糸の模様を含め「先に」色がつけられています。
「後染め」使われる生地はなめらかな白いまま(地模様がある場合がありますが)。
全体を一色で染めたり、その白生地に版画のように図案を施したり、キャンバスのように筆で絵を描いたり、刺繍をしたりします。色華やかなお花や風景が描かれているのは後染めです。
「先染め」は糸の段階でピクセルアートのように模様が作られていて、縦糸横糸が合わさると模様が完成します。生地になる前の染める糸はちょっと凹凸のあるものもあり、織上がった時に生地の表面に表情が生まれます。
紬の方が落ち着いた色味で、染めの着物の方が華やか鮮やかな色の場合が多い印象です。その違いはどこから来るのでしょう?次の「染料」に行きたいと思います。
違い2:染料(発色) 織の着物は落ち着いた色味。染めの着物は鮮やかな色味。
昔は草、木、動物(紫巻貝とか)系の天然染料のみで、鮮やかな色を出す事は難しい(もしくは鮮やかな色の原料ほど希少であった)ですよね。きっと。
原料の選択肢も少なかっただろうし、織の着物でも染めの着物でも、使っている染料は同じ物も使っていたと思います。だったら、織のほうが表面に凹凸があるので、光の反射での具合で、同じ色味でもすこし沈んで見える。たとえば、紙の表面の質が違う、例えば光沢紙とマット紙とでは同じインクでも発色が変わるという発想です。
今ある天然素材、草木染の色を見ると落ち着いた色が多いですよね。平安時代の絵巻物を見て見ると十二単の色数も豊かで、発色が鮮やかですよね。合成染料がその時代にはなかったのに。
絵では演出として鮮やかに描いていたのかな。インテリアや使っている日用品にプラスチックのようなビビットな発色のものはない。全体的に自然素材の素朴な色見が多かったので、その対比で着物が鮮やかな印象になり、絵ではそのように表現されていた。というのもあると思います。
違い3:着て行く場所 織の着物は普段着、染めの着物はフォーマル?
織はどんなに価格が高くても普段着。
染めは価格に関係なく普段着からフォーマルまでOK。
ってザックリ覚えていました。
これに例外があったのを発見しました。知り合いのお茶の先生が着ていた紬の訪問着です。
「紬(織)」で「訪問着(フォーマルの場で着用できる着物)」???
紬で訪問着のように柄が入っている(織で表現されるもの、織のあとに染めるものも有り)ものです。「これはどういう時に着用できるのだろうか。。私がざっくり覚えていた法則(織=普段着)では測れない!!」と調べたら、
セミフォーマルはOKだけど、フォーマルは遠慮したほうがいいとのことです。「訪問着(フォーマルの場で着用できる着物)だけど、フォーマルは遠慮?」
セミフォーマル:ちょっとしたパーティ、観劇
フォーマル:結婚式、授賞式
紬は訪問着だとしても、風合いや色見を楽しむオシャレとして着る。のがルールみたいです。それをみて「価格が高いのにセミフォーマルだけか〜。贅沢な着物だな〜。」と思いました。
でもよく考えて見たら、セミフォーマルの方が着る機会が多いので、そこにお金を使うのもいい選択ですね。
フォーマルで使える染めの素晴らしい訪問着に、お金かけても生涯で結婚式出席は1、2回くらいだし、授賞式らしきもの?もあるかないかわからないし、仮にあったとして3回。そのくらいだったら、素晴らしい訪問着の値段の元取れないですね。ずっとタンスにしまっていたら経年劣化してしまいますし。だったら、パーティーとか観劇、すてきなレストランで食事とかで使う機会の多い紬の訪問着のほうがコストパフォーマンスが良さそう!
日常生活でも、着る機会の多いジーンズやTシャツこそ、自分の好みにあった好きなものを値段で妥協しないで買って、たまにある親戚の会合とかの服は、安くても失礼じゃないもの。っていう考えと同じですね。
次に買う着物は、紬にしてみようかな。
違い1:作り方
違い2:染料
違い3:着て行く場所