茶席でお菓子をいただく時に役立つちょっとしたこと(濃茶:主菓子編)

茶席のお菓子の種類は2種類あります。これらのお菓子をいただくとき覚えていると役立つ、ちょっとしたことを2回に分けて書いてます。前半はこちらです。

主菓子、干菓子ともにいただくときに共通している基本の手順3点は、これです。

盛り付けられたお菓子を崩さないように取る
・次の方のために取った箸や指を懐紙で拭う
・懐紙の上で一口サイズにしてからいただく

今回は後半で濃茶をいただく時に出される主菓子について書きます。

コンテンツ
  • 主菓子を懐紙に乗せる
  • 使った黒文字をきれいにする
  • まとめ

主菓子を懐紙にのせる

主菓子が盛り付けられている際、添えられている取るものによって異なります。2パターンあって、

1)黒文字箸(長さ8寸 約24.5cmの黒文字が素材の箸)が添えられている
2)人数分の黒文字(長さ約5寸 約15cm)が添えられている

1番目の黒文字箸が添えられている場合
この場合は、お菓子器に数個盛り付けられており、お箸が添えられています。お菓子器の中から一つのお菓子をお箸のように挟みます。

右手でお箸を持っている場合、右側から取っていきます。右側からとるのは、残りのお菓子の上を通らないようにするためです。何個かお菓子が盛り付けられている場合、右手で左側からとろうとすると、お菓子の上を通ることになります。万が一お箸から落としてしまったら、他のお菓子にあたってしまうので、それをさけるために、1番右側にあるお菓子からとります。

もし左利きだったら、左手でお箸を取り、左側から取ったほうがいいと思います。そして、お箸を置くときは、次の右利きの方が取りやすいように回ってきたように、右側においておくといいでしょう。利き手でない手でお箸を持つのは難しいですよね。なので左利きの場合は無理しないでいいと思います。

2番目の人数分の黒文字が添えられている場合
黒文字を一本取って、お菓子を取ります。このときも右手で黒文字を持って右側から取りましょう。(左利きの場合は左側から)その際、黒文字でお菓子を刺し、左手を添えてて懐紙まで持っていきます。

下側、3分の1あたりに軽く刺し込みます

お菓子に黒文字を刺さないと安定して、懐紙まで持ってこられません。また、お菓子を刺す場合、下の部分に刺します。

お菓子は見た目を楽しんでもらうようにデザインされています。見た目に影響しない下の方に軽く刺してください。目安となる場所ですが、前後は中央、下からは、3分の1あたりに刺しましょう。

「お菓子に黒文字を刺して懐紙に乗せる」と聞くと爪楊枝でたこ焼きを食べるときのように、上から刺してしまいがちです。

必ず下の方に刺しましょう。左手は、落ちないように添え、お菓子のデザインが崩れないようにやさしく取ってください。

使った黒文字をきれいにする

使った黒文字箸、黒文字は、懐紙の角で拭います。

黒文字箸は使う前の形に戻して、そして黒文字は懐紙の上お菓子の前に横にして置きます。短い黒文字は懐紙の角で拭った後、お客さんが菓子切として使い主菓子をいただきます。

いただくときは、懐紙の上で一口サイズに菓子切で切ってから口に運びます。

たいてい「茶道で使われる主菓子」を作っているお菓子屋さんは、黒文字箸や黒文字で取りやすく、食べやすく作っています。あまりポロポロとくずれないように、やわらかすぎないように、黒文字で切りやすくしています。見た目のデザインだけでなく機能にも注意を払って作られていることが多いです。

お菓子を食べ終わったら、懐紙を小さくたたんで仕舞います。このときの懐紙の扱い方は、前編に書いたので、こちらを御覧ください。

まとめ

お茶をいただくときは、慣れない所作も多いです。特に左利きの方にとって、お茶の所作は、配慮されてないと感じます。お稽古を始めると、残念ながら、すべて右利きに合わせることになります。お点前は右利き用に作られています。はじめの頃は茶筅を振るのもやりにくいと思います。でも1番難しいのは、きっと箸でなにかをつかむことですよね。お稽古が進んでいくと、炭手前といった炭を置くときに、お箸を右手で持つ点前もあります。だいぶお稽古が進んでからの手前なので、その頃にはすこし右手でも慣れていると思います。

今回はお茶をやってみたい方や突然お茶に招待された方が実践しやすいように、左利きの方は左手でお菓子を取ることも紹介しました。慣れない右手で、お菓子を落としそうになってヒヤヒヤするよりも、利き手を使って楽しくお茶をいただいてほしいです。

お菓子をいただく時に考えることはこの3点のみです

盛り付けられたお菓子を崩さないように取る
・次の方のために取った箸や指を懐紙で拭う
・懐紙の上で一口サイズにしてからいただく

なのでこれらを頭の片隅に入れておけば大丈夫です。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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