茶席のお菓子の種類は2種類あります。これらのお菓子をいただくとき覚えていると役立つ、ちょっとしたことを2回に分けて書きます。今回は薄茶をいただく時に出される干菓子についてです。
主菓子:お菓子屋さんでは上生菓子と呼ばれるお菓子です。色や形でその時期を表現しています。餡などが入った日持ちのあまりしないお菓子。
干菓子:字のごとく乾いているお菓子。落雁や麩焼きなど。
主菓子、干菓子ともにいただくときに共通している基本の手順3点は、これです。
・盛り付けられたお菓子を崩さないように取る
・次の方のために取った箸や指を懐紙で拭う
・懐紙の上で一口サイズにしてからいただく
この手順を含めて以下の内容を紹介していきます。
- お干菓子のいただき方
- 懐紙の使い方(裏千家)
お干菓子のいただき方
お干菓子はお盆に2種類盛られていることが多いです。一種類ずつ取って懐紙に乗せます。菓子盆に盛り付けられているお菓子は右側から取ります。

もし、お箸が添えられていたらお箸を使ってください。手で取ることが多いです。また、重ねてあるものは、上から取っていきます。

そして全種類のお菓子を取り終わったら、手に砂糖の粉などがついてる場合があります。菓子盆を次の方に送る前に、砂糖の粉を落としましょう。ちょっと懐紙の縁で親指と人差し指を拭ってからお盆を触って隣の方に送ります。

お干菓子は、懐紙の上で一口サイズにしてからいただきます。大きめのおせんべいを食べる時は、懐紙の上で割ってから食べましょう。もともと一口サイズのものは、一口でいただきましょう。

お干菓子はお盆の中、右上に一種、左下に一種とレイアウトされています。これ、なぜ右上左下なのか理由を知っていますか?その理由は、
お菓子の上を手が覆いかぶさるのを防いでいるです
通常しない菓子盆に左上右下でレイアウトし、右手でお菓子を取ってみました。
左上のお菓子を取る時に右下のお菓子の上に手がきます。

これを防ぐために現在使われている右上左下のレイアウトをつかっているのだと、今回写真を撮影していて気がつきました。これも一つの理由だと思います。
懐紙の使い方(裏千家)
懐紙の使い方は主菓子、干菓子に共通します。懐紙の使い方は、流派により多少異なります。裏千家では懐中をしていた懐紙をままその出して、そのまま使います。流派によっては
・1枚引き出して懐紙の束の上にのせる
・一枚を裏側が外になるように折りたたみ、懐紙の束の上にのせる
場合もあるようです。私の習っている裏千家は懐中していた懐紙を束のまま、上にお菓子を乗せます。

食べ終わったら最後に一枚使ったものを、使った面が内側になるように折りたたみ、懐紙の束の間にいれて、懐中します。





それをお稽古がおわったら捨てます。使い終わった懐紙を引き出してからたたむか、使った面を内側にしてたたむかは、人それぞれです。私は、お菓子の粉などが落ちにくいように、使った面を内側にして折りたたんでいます。
まとめ
お茶でいただくお菓子は、ちょっと慣れない動きもするかもしれません。細かい動きを覚えようとすると手順がたくさんあります。でも「なにを目的にした手順なのか」と、大きく考えると、この3点のみです。
・盛り付けられたお菓子を崩さないように取る
・次の方のために取った箸や指を懐紙で拭う
・懐紙の上で一口サイズにしてからいただく
なのでこれらを頭の片隅においておけば、リラックスしてお茶をいただけると思います。