先日茶道の本を読んでいて、床の間の花について書いてあるところがありました。
「床の間の花について尋ねるとき、まず、その茶花を揃えてくれて事に感謝をする。」
花の入れ方や花入についてではなく、まず花から話を進めるというものです。茶室で使用する和花は、花屋さんではほとんど扱っていません。なので、調達する方法は二つ。
- 外で探す
- 庭で育てる
どちらも、亭主の努力と苦労が必要です。
外で茶花を探す
「茶席の花は足で活ける」
と先日の本に書いてありました。茶会の趣向にあった自然の花を見つけてくるのに、山や河原などを歩いて、歩いて、歩き回って探します。組み合わせたかった花がなかったり、たまたま咲いていない場合もあったり、自然は予想ができません。アサガオやフヨウのような一日花(いちにちばな、朝に咲いて昼頃には閉じてしまう花)の場合は、咲いている場所を確認だけして、茶会当日の朝に再度出向き取りに行きます。
私も、茶室に人がいらっしゃる際には、花入の花を探すのが一番苦労します。花入は持っている数が限られるし、技術もたくさん持っているわけではないので、一番時間がかかるのが「花選び」です。茶室がある家も都会なので、山や川に探しには行かず、近所の遊歩道で咲いているものを一輪拝借してきます。「この遊歩道には、〇〇がある。」「〇〇はあの遊歩道」と、何回か行っていると種類がわかってきます。しかし、夏や秋に役所の草刈りが入ると、茶花のようなひっそりとした花は、雑草と同じ扱いで、キレイに刈られてしまうんですよね。。
茶花を庭で育てる
先生のお稽古場で使う茶花は、すべてお庭で育てています。どの季節でも花が絶えないように、様々な種類を育てています。気に入った花があれば、友人からもらう、日向が好きな草、日陰が好きな草、それぞれに植える場所を変えて、水やりをして、大切にお世話をしています。育てるのも時間と苦労がかかります。茶花がたくさん咲く初夏の時期は、いつも先生は嬉しそうに花の説明をしてくださいます。
家はマンションなので、植木鉢で育てています。3種だけなので、ほとんど外から調達してきます。植木鉢3つだけでも枯らしてしまったりして、なかなかよく育ちませんね。
素敵な花入、貴重な花入を見るとそれらについて伺いたくなりますが、この二つの苦労を知ると、花の調達にかけてくれた時間に、まず感謝したくなります。
茶花の名前をちゃんと覚えたい
上の写真にあるのは、近所で見つけた茶花です。これはムラサキシキブではなく、コムラサキでした(多分。。)。
見分け方
ムラサキシキブ:葉のふちが全体のギザギザ
コムラサキ:葉の先の方だけがギザギザ
2020年からコロナの影響で、茶室でお茶をする機会が少なくなりました。
「ムラサキシキブも先生の茶室で花入に入っていたな」と思い出しました。
次回お稽古をさせていただくときは、最初にお花について感謝をします。
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