日本の伝統色カラーガイドで面白かったのはグレー系でした

最近また日本の伝統色の見本帳を参考にするようになりました。理由は自分の持ってる着物、茶碗、古袱紗に使われている色が日本の伝統色でいうと何色なのか、調べるのに使用しています。

使っているのは、DIC日本の伝統色です。

https://www.dic-graphics.co.jp/products/cguide/japan_9.html


本来はデザイン作成時、色を指定する際に使います。最近あまり使っていなかったな、と思い、本来とは違う使い方で活用しています。色の名前とかよく読んでみると、面白いのがあるなと思いました。


色の名前とちょっとした説明がそれぞれに書いてあるので、「なるほどー」と興味深いものが多々ありました。その中でも特にグレー系の説明がが面白かったです。現代や英語ではブルーががったグレーのことは、そのままブルーグレーと言いますが、日本の伝統色の名前は、ちょっと違います。


生活習慣や道具、自然物、自然現象に関連した事柄から来る単語を含めて、グレーの色味を説明する。という方法で名前を付けています。昔からの色の名前なので、炭や灰といった昔の生活で使っていた物の名前が由来となっているのもありました。日本人だったら、名前を聞いただけでなんとなく「こんな色かな」と色味が想像できるはずです。けれども、日本の生活習慣や自然を見たことがない人に、この色名のまま説明するのは、難しいかもしれませんね。

この見本帳の一番面白いところはグレー系統

グレー色シリーズが一番私が好きなところです。こんな感じの色が並んでいます。上から、明るいグレーでしたが濃いグレーです


(明るい色)
灰白
銀鼠
桜鼠
深川鼠
灰色
灰汁色
鈍色
利休鼠
素鼠
鉛色
鳩羽鼠
石版色
消炭色
(暗い色)

面白いとおもった色名


銀鼠(ぎんねず):明るいグレー「銀」は「明るい」という形容詞としてつかわれています。メタリックではないんですね(笑)

灰色(はいいろ):かすかに茶色がかったグレー灰色というとニュートラルなグレーとして使ったりしますが、本来はちょっと茶色黄色味かかった、あたたかいグレーです


利休鼠(りきゅうねず):ちょっと緑ががった、中間くらいの暗さのグレー。名前の由来は、2説あるらしく、1つめは、利休が好んだ灰色がこのいろだった。2つめ、利休はお茶に関係しているから「利休」という単語が「緑がかった」という形容詞として使われている。色の名前の間では「利休」=「緑」とされている様子でした。


素鼠(すねず):ニュートラルグレー色が混じっていない黒の薄い色。素の鼠ですね。グレーは、「はいいろ」ではなく「ねずみいろ」なんですね


鳩羽鼠(はとばねず):ちょっと紫ががった、中間くらいの暗さのグレー鳩の羽の色のグレーです。グレーに紫を混ぜると、鳩の羽の色になるんですね。


消炭色(けしずみいろ):濃いグレー、チャコールグレー使う前の炭は真っ黒ですが、火を消した炭は、灰がうっすらかかり、濃いグレーに見えます。お茶の時の炭手前をするときにその色の違いを感じるので、「消炭色」の名前はとても納得します。


随分つかっていなかった色見本帳ですが、改めて使ってみると新しい発見がありますね。

DIC 日本の伝統色 第9版








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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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