友禅着物には、産地によりちょっとした違いがあります。代表的なのは京友禅(京都)加賀友禅(石川県)、江戸(東京)友禅(東京)です。着物から、その違いを当てるコツと、それぞれを”勝手に”カラーチャートで表現してみました。
以前、ブログにも書いた、後染めの着物、白地に筆で絵柄を描く友禅染の地域による違いを考えてみたいと思います。
着物を見ただけで「加賀友禅ね〜」といった先生
大きく分けて京友禅、加賀友禅、江戸友禅があります。
歴史などは他のブログでも書いているので、そういうことは触れずに、絵柄だけで違いをどうやって見分けるのかというのを考えてみたいと思います。
若い頃行っていた、お茶の先生のところには着物の呉服屋さんがたまに来ていました。
その時に、いろいろ反物をみていて、先生が
「加賀友禅のこの着物いいわよ〜。これを買ったら間違いないわよ!」
と言ったのを、思い出しました。
そのときに、
「何で見ただけで加賀友禅だって、わかるの??」
と、尊敬の眼差しで、見分けかたを聞いたら、
「加賀友禅は葉っぱなどに虫食いの模様をつけたりするのよ。この着物のこのはっぱに、こういうのがあるでしょ。だからそうだと思ったの。」
と。着物は、サーモンピンクの地色で白いツバキのような柄が全体にありました。小紋だったのですが初釜とかちょっとした所に着ていける上品な着物でした。(年齢的にはきれないのでこれは娘のものになるかなと思っていますが)
加賀五彩といわれる臙脂(えんじ)・草・藍・黄土・古代紫をベースにして、着物の印象のカラーチャートです。アースカラーというか、自然界からのいろそのままなイメージです。なので、様々な色が混ざった、ニュアンスカラーかな。
加賀友禅は「写実的」で自然の動植物などの描写が、ものに忠実に表現するそうです。細いというより細部を省略しないで書くと言った方がいいかもしれません。「写実的」ということで花びらの柔らかさや葉っぱの色なども、生き生きとしてグラデーションで表現されています。」また色味も自然に近い色味を使って描かれています。
では、京友禅の特徴は?
代わって、京友禅は花などの植物を文様化、簡略化した中で、色味の組み合わせや金糸・金彩、刺繍などを使って雅な雰囲気を醸し出しているのが特徴です。
雅の世界を演出するために、色は鮮やかな取り合わせがよく見られます。目立つ色をガンガン使うというよりも、組み合わせる色味にに特徴があるように思います。
色の特徴は、パステルトーン。意匠は文様というイメージです。
昔、京都に観光に行ったとき、お茶の初釜(お茶のお稽古のお正月初めての集まり)に参加する人たちを見かけました。
皆さん着物友禅などを着ていました。20人ぐらい友禅着物の訪問着や付け下げを着てる人を見たら、そのあたり全体がふわっと優しい色味だったように思います。20人の着物で濃い色の着てる人を見かけなかったですね。。
みんなピンク明るいベージュ明るい黄緑、ほわほわとした感じの印象でした。
それが私の京都の着物のイメージとして残っています。
最後に、江戸友禅の特徴は?
江戸友禅の着物は京友禅のように、金糸、金彩、刺繍が施されているので、二つの見分けが難しいそうです。(現代では、作家の特徴でいろいろな友禅の技法を取り入れて制作している場合もあり、厳密に京、加賀、江戸という垣根は低くなっているようです。
江戸友禅は、色味の特徴でで見分けられるかな〜。ということなので、こんな感じのカラーチャートでしょうか。京友禅のイメージはあるので、その反対側、落ち着いた感じでつくってみました。
全体的にグレイッシュトーンでおちついた感じです。
着物の違いは、訪問着、付け下げのほうが、わかりやすそうなので、それらを着る機会に参加したいな。今年は、初釜はなかったですが、来年初釜があったときに、このチャートを見て、「ああ、あの人の着物は加賀友禅かな。」「この人は京友禅かな」とか考えてみるのも楽しそうですね。
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