お客さんとして茶室で畳に座るとき、畳の縁から「16目」のところに膝を合わせて正座をします。16目分がすぐ判る方法を紹介します。その方法は、
自分の手のひらの幅を畳の目で何個分かをあらかじめ調べておく
自分の手の幅が畳の目では何目分かというのを覚えてると、お茶室で座る位置を決める時に便利です。
- お茶室に入ったときに知っていたい畳16目の幅
- 私の手の幅は畳12目分です
- 茶室は主に京畳が使われています
お茶室に入ったときに知っていたい畳16目の幅
お稽古を始めた頃、一番に覚えることと言えば、座る位置です。
畳の縁から畳16目に膝を合わせて座る。
というものです。なぜ縁から16目空けるのでしょうか。16目分は、お茶碗置いたり挨拶をしたりするのに必要なスペースだからです。
16目分スペースがあるとできること。
・薄茶をいただく時に、畳の縁の内側(自分側)にお茶碗を置き、お茶碗と自分の膝の間に手をついて挨拶ができるくらいの間
・挨拶のときに、扇子を前において、手のひらをぴったり付ける真のお辞儀ができる間
・その場にいる人皆が16目分のところに座ると覚えていれば、お客さんの横の列の膝が一列に揃う
この3点ができるので「座るのは畳の16目分」は覚えておくといい数字です。
しかし、毎回座った時に縁から「1…2…3…」と数えていると時間かかります。こんなときに覚えておくと便利なのは、
手のひらを思い切り開いた時に、小指の先から親指の先までが畳の目何個分
です。これを知っているとても素早く畳16目に座ることができます
私の手の幅は畳12目分です
私の手のひらの小指から親指までの幅を出してみました。人によって手の大きさが違うのでそれぞれの計算してみてください。
自分の手の幅 | 180mm |
京畳の短い方の幅 | 955mm |
畳の目の数 | 64目 |
です。955を64で割ると、一目の長さが出ます。
955mm÷64目=約15mm
それを私の手の幅の中に何目入るかがわかります。
18cm(私の手の幅)÷15mm(畳1目)=12目
私の手を広げると、12目とわかりました。
なので、手を広げて、畳に合わせれば、12目分は数えなくても大丈夫になりました。手の届かないところから、13、14、15、16と4目だけ数えれば、16目に座れます。
茶室は京畳がつかわれています
この畳1目15mmは、お茶室で多く使われている京畳の1目です。畳のサイズは、地域、用途によって大小あります。
畳は、代表的なサイズで4種類あります。
地域/用途 | 呼称 | 畳のサイズ |
---|---|---|
関西、中国、九州地方 | 京間(きょうま)、本間(ほんま) | 955x1910mm |
中部地方、東北地方の一部 | 中京間(ちゅうきょうま) | 910x1820mm |
関東から北 | 江戸間(えどま)、関東間(かんとうま) | 880x1760mm |
マンション、団地など | 団地間(だんちま) | 850x1700mm |
この中で、茶室で使われているのが、京間です。京間でつかわれているのが京畳です。お茶室で座る場合なので、今回の手のひらの長さは、京畳の畳目サイズで計算しています。
茶道では、お点前する時の座る位置や、茶道具のサイズが京畳のサイズになっているので、点前畳は京畳サイズが必要です。
「和室」であっても、京間のサイズでないと京畳が入りません。マンションをリフォームで茶室をつくる場合でも、マンションの4畳半と京間の四畳半ではサイズが違います。なので、マンションのサイズに合わせて全体を小さい畳でつくるのではなく、点前をする点前畳とお客さんが座る客畳だけ京畳に合わせ、それ以外の炉畳、貴人畳、踏込畳のサイズを縮めてつくることがあります。それだけ畳のサイズと目数は茶道で大切にされています。
点前をする点前畳、お客さんが座る客畳、炉畳、貴人畳、踏込畳、それぞれのサイズが違っていても、見た目はふつうに四畳半に見えます。自然に収まります。
まとめ
自分の手のひらを思いきり広げた時の親指から小指までの長さが畳何目分かを知っておきましょう。お客さんとして畳に座る時、さっと16目がわかるので便利です。
前もって、自分の手のひらの長さを畳1目で割り、手のひらが何目分の長さがあるか。と準備してみましょう。
これ、畳の目数だけでなく、ちょっとした買いでも、親指から小指の先まで何センチあるのか知っていると、便利です。