展覧会での茶道具の見どころは「薄暗さを想像すること」です

茶道具は暗いところで見ることを前提とされて作られているのではないか、と
考えて、私が展覧会で茶道具を見るときに想像するのが、以下2つです。

展示品をみて想像すること
  • 「薄暗いところでこの道具はどう見えるか」
  • 「どんな手触りだろうか」

こんなことを考えながら展示品を見ていると、また違った発見や感動があります。

前回のブログ、茶室は薄暗い。そしてお手前は暗いところでもできるように設計をされているんだ。と書きました。

今回は、茶道具の展覧会で、私が試している薄暗さを想像する見方を紹介したいと思います。

薄暗いところでこの道具はどう見えるか

明るいスポットライトの展示品をみて、どう薄暗さを想像するかというと、私はこの2つで見ています。

シルエットで見る

道具も暗いところで使われる、見られるのを前提にに作られているんではないかと考えました。暗くてもよく見えるのは、物の形、シルエットです。

茶碗や茶入れにはいろんな形があります。その形は茶碗を作った作家の特徴を表しています。全体の形、縦横の比率の美しさ、大きさの佇まい、そのシルエットだけでも楽しめます。微妙な釉薬の景色はちょっと置いといて、形をシルエットにして見ます。

茶入れの形が多種類なのは、シルエットの美しさを見てもらうため、暗いところで一番映えるようなデザインを考えた結果なのかな。シルエットの形を色々作ることにより、道具の取り合わせに変化が出てきて、趣向のバリエーションを多くしているのだと思います。

表面の加工方法で見る

漆塗りも棗や炉縁などさまざまな道具で使われています。ツルツルしてちょっとした光を反射するものもあれば、つや消しのような表面もあります。また、螺鈿や金銀の蒔絵など、光にあたるとキラリと反射する材料をつかった棗は、暗い茶室でも目立つ存在です。

漆黒の中に銀色のキラキラしたものが使われ、少し光を当てるとキラッと光る。暗いところで入る光のデザインというのを考えて作っているんだと思います。

どこから光があたるとどういうふうに見えるのか、それを想像するのも楽しいです。

どんな手触りだろうか

お点前では道具を拝見するときに、お茶碗、茶入れ、棗、茶杓など実際に手にとって触ることができます。展示品には触れられませんが、見た目で触りごごちを想像してみます。

重さと手触りにも各お茶碗で違いがあります。手の中に入れ、手で触った時の手触り、

  • ゴツゴツか、ツルツルか
  • 手のひらよりも大きいか、小さいか
  • 手に引っかかるような、チクチクしているところがあるのか
  • 表面がでこぼこしているのか

陶器だったら釉薬がかかってるとこと、かかってないところで、上記のような手触りを想像してみます。そうやって道具たちを見ていくと、手触りのバリエーションの多さに驚きます。道具は暗いところで、手に持って驚きを与えられることも考えて、創作されているんだと考えられます。


道具は展示されているスポットライトの明るいところで見ても、細かいところが見られて楽しいです。それに加えて細かいところが見えない薄暗い場所での、手触りをちょっと想像してみるのも楽しいです。


私は、様々な茶道具は暗い茶室で使われることを前提に作られていたと思います。
「暗いところでみたらこの道具はどう見えるか」
「どんな手触りだろうか」
展覧会では、こんなことを考えながら見ると、新しい発見があるかもしれません。







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Ria
フリーランスでデザインの仕事をしつつ、週末はお茶のお稽古や、お茶を楽しむ会を実家のお茶室でひっそり開いています。グラフィックデザインと茶道を往来する中で、茶道の知識がデザインに役立ったりしています。
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