茶道のお点前をする人、お客になる人の必需品、扇子について書きたいと思います。扇子は、裏千家では男女で長さが違います。
女子 5寸(約15cm)
男子 6寸(約18cm)
表千家では、男女兼用で6寸5分だそうです。
1寸=3.03cm(畳の目一目は半寸(五分)です)
畳に置くときは、必ず親骨が上下にくるように置きます。挨拶で使うときは、要は右、親骨が上下にくるように置きます。また、手に持つときは、右手で要の部分を隠すように握ります。
結界(けっかい)として使う
結界とは、「ここからは、私のスペースです」というサインのようなものです。
茶室では、客は自分の前に扇子を置き、自分と亭主との間に、境界線を引きます。亭主の茶室の中(相手の領域)に入るときに、客は「あなたの領域に入らせてもらっています。失礼します」という気持ち、そして「自分の領域はここまでです。」と亭主に示しているというイメージです。
お茶の始まるとき、客は茶室に入るとき、茶室の道具を拝見せてもらうとき、亭主に挨拶するときには、客は扇子を前に置きます。
その後、亭主のお点前が始まると、客は扇子を自分の後ろに置きます。お点前の最中は前に置きません。なぜ最中には前に置かないのか?それは、お茶をいただくことは「結界を超える」という意味なのかなと思っています。
また、亭主が扇子を持たないのは「結界を作らないで客を迎える」意味があります。
台(だい)として使う
台とは、お礼や月謝などお金を先生に渡す際に必要な物です。現金をお財布からそのまま渡すのはNGです。プラス、封筒や熨斗袋に入れていても、畳の上に直に置きません。
では、どうするのか?
そこで登場するのが「台」です。本来の「台」は、菓子折りの箱です。熨斗袋よりも同じ大きさか、少し大きめの箱が好ましいです。菓子折りの台は、(私の通っていたお稽古場では)なにか特別な御礼やお中元、お歳暮の時には用意しますが、月謝を渡す際には必要ありませんでした。菓子折りの台の代わりに、扇子を使いました。
扇子を開いて、かなめを自分に向けて、熨斗袋を上に置きます。そして、要をお渡しする方向に向けて差し出し、礼をして挨拶します。
と、台の代わりの扇子を紹介しましたが、近年では扇子を使わずに古帛紗を使っています。古帛紗に挟んで、お渡しします。
扇子でも古帛紗でも、畳に直接置かない「台」の代わりとして使っています。
扇ぐのはNGです
扇子を開いて台の代わりにするのも、最近は見かけなくなりました。なので基本的に、扇子を茶室の中では広げることはありません。真夏でどうしても暑いときには、普通の扇子を持参しています。(とは言っても、茶室の中では扇ぎませんが。。)
広げることが無いので、扇面(扇子の紙の部分)は自分の好きなデザインで選びます。色とりどりの四季のお菓子が描いているものや、勉強のために歴代宗匠の花押が書いてあるものもあったりして、なかなか選びがいがあります。文字以外でも、十二支の干支のデザインも数多く種類があるので、年の干支を使ったりするのも楽しいかもしれませんね。
安価な無地の扇子もあるので、自分で好きな絵や言葉を描いてみるのもいいかもしれませんね〜
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